心はいつも、貴方とともに







ジークは城の警備中に、誰かがはしゃぐ声を聞いた。



どうせ、城の子どもが遊んでいるのだろうと思っていたが、その声には聞き覚えがある。



不思議に思って立ち止り、耳を澄ますと、やっぱりアミリア姫の声に似ていた。



しかし、どこか違う。



昨晩聞いた声は、もっと落ち着きのある鈴のような声だったのだ。



しかし、今は…。



もっと元気な笑い声だ。



思い過ごしだろうと、歩き始めたジークだったが、笑い声が近づいてきたかと思うと、いきなり身体が前につんのめった。



膝をついて体重を支えると、背中に何かが乗っかってきた。



「あら、ごめんなさい。」



まったく反省していない謝罪とともに、何かが退く。



振り返ると、ジークは絶句した。



姫だ。



アミリア姫だ。



…しかしやっぱり、どこかが違う。



パンパンと服を払っている彼女は、容姿はアミリア姫とそっくりだがどこか違う気がした。



「お怪我は、ありませんか?」


「大丈夫よ、平気。」



そう言って立ち上がった歩き出そうとした彼女だったが、ふらりと足を折ってしまった。




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