心はいつも、貴方とともに
*
「お姉さまぁッ!!」
帰って来るなり、アリソンはアミリアに飛びついてきた。
きゃあっと悲鳴を上げ、アミリアは編み物を隠す。
それには気づかないくらい、アリソンは興奮していた。
「一体、なんだっていうの?」
呆れながらアリソンを宥めると、彼女は頬を紅潮させながら、まくし立てた。
「あのね、私、恋をしてしまったかもしれないの!」
「恋?」
「そう!」
目をきらきらと輝かせている。
「お相手は?」
「警備をしていた人!」
「どうして?」
一つ一つ訊いていくと、アリソンは少しずつ落ち着いてきたようだった。
「転んでしまったとき…。」
「転んだ!?」
アミリアは思わず声を上げてしまった。
「どこか、怪我は?」
「ここ。」
そう言って、アリソンはドレスの裾をまくり上げる。
足首に包帯が巻かれていた。