心はいつも、貴方とともに
「軽い捻挫だそうですわ。」



後ろに控えていたマリアが、呆れながら言う。



どうしてまた捻挫なんか…。



どうせまた走りでもしたんでしょうけれど。



「アリソン、私の言いつけを守れないようなら…。」


「許して!
どうしても、走りたくなってしまったの!」


「約束は約束ですよ。」



静かに言い放つと、アリソンは口をつぐんだ。



「ごめんなさい…。」


「貴方は毎回そう言うけれど、反省したためしがないじゃない。」


「……まぁ、そんなことよりお姉さま!」



そんなことより、か。



もう、叱る気も失せた。



どうせ言い聞かせたところで反省するような賢い子ではないのだ。



当分、外出はなし、とアミリアは心の中で制裁を決めた。



「あの人、私を抱き上げたのよ!」


「そう。」


「それから、医務室へ連れて行くの!」



それはそうだろう、姫が転んでいたのだから。



アミリアには当たり前のことも、アリソンには珍しいらしい。



「それで、恋に落ちたと?」


「えぇ!」



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