心はいつも、貴方とともに
小さい頃から怒涛のごとく習いものをさせられ、鍛えられ。



自由な時間などなかった。



自由奔放なアリソンが遊んでいる間中、身代わりのように習い事をさせられた。



当然のように、アミリアは望まれた通り、姫らしくなっていく。



反対に、アリソンは子どものまま成長した。



『姫』の座は一人。



当然の成り行きで、父王はアミリアを選んだ。



奔放なアリソンのせいで、アミリアが王女にならなければいけなかったというのに。



どうしてこんな言われ方をしなければいけないのか。



せめてとこうして遊びに来たり、身代わりをしてあげたりしているのに、アリソンは平気でアミリアを責める。



アミリアはすっと立ち上がった。



「帰ります。」


「お姉さま!」


「しばらく一人で反省してなさい。」



行きますよ、とマリアに声をかけると、マリアは黙ってついてきた。



背後でギィッと扉が閉ざされる。



マリアが鍵を閉める音が聞こえた。



「姫様…。」


「何?」


「あまり、ご自分を責めないでくださいね。」



この老いぼれがその苦悩を肩代わり出来たらよいのですが、とマリアは笑う。



アミリアは寂しく微笑んで、マリアの頬にキスをした。














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