心はいつも、貴方とともに
彼女からはジークはランバートの陰に隠れて見えないらしい。



ジークは一歩、前に出た。



そしてゆっくりと頭を下げる。



顔を上げると、自分を見つめているアミリアと目が合った。



あっと彼女は声を上げる。



「知り合いなんだろう?」



ランバートがアミリアの肩に手を置いた。



はい、と彼女は何度も頷く。



「貴方でしたか。」



力が抜けたように、アミリアは微笑んだ。



よかった、笑ってくれた。



ジークもつられてぎこちなく微笑んだ。



「ミア、何かあったらジークに言うんだぞ。
何かと助けてくれるはずだ。」


「お世話をかけないようにしますので、どうぞよろしくおねがい致します。」



あぁ、とか気の抜けた返事しか返せなかった。



心の中で自分を罵る。



最初の印象が肝心なんだぞ!



なんだ今の情けない反応は!



そんなジークの焦りなど知る由もない2人は目の前で話を始めていた。



「どうして言ってくださらなかったのですか。」


「いや、こうして秘密にしておいたほうが、反応がおもしろいだろう?」



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