心はいつも、貴方とともに
あぁ、王子は姫に友達を作ってあげたかったのか。



ランバートのもう一つの目的を理解したジークは心があたたかくなった。



彼なりの思いやりが、胸に染みる。



あまり社交的ではない自分には、向かない仕事かもしれないが、精一杯頑張ろうと決めた。



「じゃあ、俺はもう行く。
ミア、愛してるよ。」


「…そう言ってくださるのは、随分と久し振りですね。」



アミリアは嬉しそうに微笑んで、ランバートが広げた腕に身体を預けた。



ランバートの愛のこもった優しい瞳が、アミリアを映す。



紛れもない、優しい兄の顔だった。



なんだか見るのは失礼な気がして、ジークは慌てて顔を背ける。



抱擁を交わしてから、ランバートは立ち去った。



振り向きざま、ジークに目で礼を言うのを忘れない。



ジークは尊敬の気持ちを込めて、深く頭を下げた。



ゆっくりと身体を起こすと、アミリアに向き直った。



遠慮がちに目を伏せている。



「このたび、アミリア姫専属騎士となりました。
よろしくお願い申し上げます。」


「こちらこそ、よろしくお願い致します。
…ジーク様。」



アミリアは怖々とジークの名を呼んだ。



それだけで嬉しくなる。







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