心はいつも、貴方とともに
少し考えたアミリアは、そっと切り出した。



「なんなら部屋に戻りましょうか?
私なら部屋でじっとしていますから、どうぞご自分のことに専念なさって。」


「いえ、そんな。
すみません、任務の途中に雑念を…。」



あぁ、しっかりしなくてはいけないのに。



せっかく姫の警護に当たるという、光栄な任務に就けたのに。



彼女に気を遣わせて、どうするんだ。



「……少し、気分転換をしますか?」



気分、転換?



首を傾げると、彼女は悪戯っ子の顔をした。



その顔はランバートそっくりだ。



「私、お兄様と一緒に作った菜園を持っているんです。
いわば、秘密基地のような。
お見せしましょうか?」



秘密基地、という言葉に胸が高鳴った。



そんなわくわくしたもの、いつぶりだろう。



ぜひ、と頷くと、彼女は嬉しそうに笑った。



こっちです、と速足に歩き出す。



ジークも高揚した気分で後を追った。



城の塔の間を抜け、どんどん奥に入っていく。



すると、急に開けた場所に出た。



ジークは思わず感嘆の声を上げた。



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