心はいつも、貴方とともに
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アミリアを部屋に送り、ジークはすぐにランバートのもとへ向かった。
執務中だったが、ジークの様子をみて、ランバートは時間を作ってくれた。
そして、報告が終わると、いつもの彼からは想像もつかないくらい、険しい顔になった。
「そうか…。」
報告を聞き終わり、それだけ言うと、黙ってしまう。
ジークは直立不動で次の言葉を待った。
「ありがとう。
またあの子を助けてくれたな。」
「いえ…。」
そうか、もう来たか。
ランバートは一人でぶつぶつとつぶやいた。
「やっぱり、護衛は必要だな。
よし、お前の部屋をアミリアの部屋の隣に用意させよう。」
あんまりな発案に、ジークは思わず遠慮会釈ない声を上げた。
「は!?」
「そんなに驚くな。
そのほうがお前も警護しやすいだろう?」
いや、そんな問題ではない気が…。
自分の妹の隣に男を住まわせて、平気なのかこの人は。
ジークの考えていることがわかったらしい彼は、意地の悪い顔で笑った。
「なんだ?
盛ってるのか?」
盛っ、とジークは声を詰まらせる。