心はいつも、貴方とともに
なんなんだこの人は仮にも王子だろう!



慎みという言葉を知らないのか。



顔を赤くしてしまったジークに、悪戯っ子の血が騒いだらしい。



ランバートはちくちくとジークをいじめた。



「王子!」



いい加減にしてください、とたしなめるも、こんな状態のジークが言っても迫力はない。



ランバートは笑いをこらえながら、頷いた。



「ま、お前なら変な気を起こさないだろうと思うから、言っているんだ。」



その信頼も、少し重い。



自分は既に、彼女に魅了されているのだから。



「あ、固いことは考えるなよ。
襲いたくなったらいつでも襲え。」


「は!?」


「ただし、自己責任だぞ。」



本気かどうかわからない態度で、ランバートはそう告げる。



なんなんだこの人は。



さっき、妹が暗殺されそうになったという報告を受けたばかりだというのに。



ジークには、ランバートがわからない。



さっぱり、わからない。



「報告ご苦労。
もう下がっていいぞ。」



ジークはげっそりとして、執務室を辞退した。














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