心はいつも、貴方とともに







「はっ!?」



アミリアは柄にもなく動揺し、姫らしからぬ声を上げた。



たった今、兄の口から発せられた言葉が信じられない。



ゆっくりと首を傾げるアミリアに、ランバートは笑みを含んだ声でもう一度説明した。



「だから、来週からお前の部屋の隣にジークが住むことになった。」


「…それはもう決定事項なのですね。」



長年この人の妹をやってきたからわかる。



この人は、本気だ。



にこやかだが、もう覆す気がないのだろう。



アミリアは自分を落ち着かせるために息を深く吸った。



ジーク様が、私の部屋の隣に住む。



壁一枚を隔て、ジーク様が暮らされる。



マリアが使っていた部屋に、ジーク様が、入る。



何度も復唱するうちに、身体がかあっと熱くなった。



それはとんでもないことではないのか。



ランバートは、顔をおさえて部屋を歩き回るアミリアを楽しげに見つめる。



まったく、面白い奴だ。



自分が今どんな行動をとっているのかわかっていないんだろうな。



そんなアミリアが可愛くて仕方がないランバートだった。




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