心はいつも、貴方とともに
塔を出たアミリアは久し振りに菜園に行ってみようと思い立った。



長いこと足を向けていない。



きっと、雑草だらけだろう。



覚悟していたが、思っていたほどの惨事ではなかった。



ほっと胸を撫で下ろす。



「この間、王子が少し手入れされていったようです。」



マリアがそっと教えてくれた。



「後でお礼を言わなきゃ。」



さっそく二人で草抜きに取り掛かる。



照りつける太陽のもと、無言で作業に励む。



数分のうちに汗だくになった。



爪先を泥だらけにして地べたにしゃがんでいる姿は、父王がみたら大激怒だろう。



型にはめたがっているあの人のことだ、この菜園を潰しかねない。



それを考えると、冷や汗が流れた。



夢中になっていると、いつの間にか草はすべてと言っていいほどなくなっていた。



「お疲れ様、マリア。
ご苦労だったわね。」


「いいえ。」



腰をとんとんとたたきながら、マリアは微笑む。



「綺麗になりましたね。」



収穫が楽しみです、と菜園を見渡す。



アミリアは満足して、菜園を後にした。




















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