心はいつも、貴方とともに
第二章
a child of god
*
アミリアにとって、兄妹とはかけがえのないものだ。
公式には、アミリアには兄弟は兄一人しかいない。
しかし、実際は下に2人、妹がいる。
アミリアは三つ子だ。
いや、正確には、三つ子だった。
この国では、昔から王女の存在は隠されてきた。
何故かはだれも知らない。
昔からのしきたりだ。
アミリア達3姉妹は、城の奥で、隠れるようにして生活した。
しかし、ある日、妹の一人がうっかり迷ってしまい、城の者に存在をばらしてしまったのだ。
勿論、父王をはじめとした関係者は大慌て。
頭をしぼって考え付いた策は、王女は「アミリア姫」一人という嘘を突き通すこと。
理由は聞いて呆れるが、一番「姫」らしい教養が身についていたから。
幸い、みな、ほとんど見分けのつかないほど、よく似ていたので、アミリアと妹が入れ替わることに支障はなかった。
他人に見分けてもらえないことは多々あったが、本人たちはたいして気にしていなかった。
むしろ時々、乳母から逃げるのに役に立ったし、最大限にその利点を活用していた。
姫として自由に外に出られるようになったアミリアと、他の妹たちはよく入れ替わり、外での生活を楽しんでいた。
・・・
が、あの日は、違った。