心はいつも、貴方とともに
第二章

a child of god








アミリアにとって、兄妹とはかけがえのないものだ。



公式には、アミリアには兄弟は兄一人しかいない。



しかし、実際は下に2人、妹がいる。



アミリアは三つ子だ。



いや、正確には、三つ子だった。



この国では、昔から王女の存在は隠されてきた。



何故かはだれも知らない。



昔からのしきたりだ。



アミリア達3姉妹は、城の奥で、隠れるようにして生活した。



しかし、ある日、妹の一人がうっかり迷ってしまい、城の者に存在をばらしてしまったのだ。



勿論、父王をはじめとした関係者は大慌て。



頭をしぼって考え付いた策は、王女は「アミリア姫」一人という嘘を突き通すこと。



理由は聞いて呆れるが、一番「姫」らしい教養が身についていたから。



幸い、みな、ほとんど見分けのつかないほど、よく似ていたので、アミリアと妹が入れ替わることに支障はなかった。



他人に見分けてもらえないことは多々あったが、本人たちはたいして気にしていなかった。



むしろ時々、乳母から逃げるのに役に立ったし、最大限にその利点を活用していた。



姫として自由に外に出られるようになったアミリアと、他の妹たちはよく入れ替わり、外での生活を楽しんでいた。


  ・・・ 
が、あの日は、違った。



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