心はいつも、貴方とともに
部屋に入るとき、アミリアはもう一度、礼を言った。



ジークは笑顔でドアが閉まるまで見送る。



そしてドアの前で小さくため息をついて、隣の自分の部屋に戻った。



実際のところ、彼女は自分をどう思っているのだろう。



鬱陶しく思ってはいないのだろうか。



いきなり護衛だと見知らぬ男を突き付けられて。



自分はしがない騎士なのだ。



何百といる騎士の中から自分が選ばれたのは、神の思し召しかと思ったが、果たして本当にそうなのだろうか。



…私情を挟んでいる自分は本当に騎士としてふさわしいのだろうか。



独り部屋でもんもんと悩んだあげく、ジークはラジャに相談してみることにした。



内心決めてみたものの、なかなか歩が進まない。



部屋で意味なくうろうろしていると、ラジャのほうがやってきた。



「よぉ、元気か?」



びっくりして飛び上がったジークをみて、ラジャも大きく身体をのけ反らせる。



「な、なんだよ。
どうした?」



挙動不審なジークを遠巻きにして、ラジャはカウチに腰かける。



ジークはあたふたしながら、冷静を取り戻した。



冷静さを買われているだけあって、思ったより早く気持ちが落ち着いた。



「実は、相談があるんだ。」


「相談?
それはまた、珍しいな。」



カウチにできた毛玉を指先で転がして遊んでいたラジャは、真剣は表情になる。



「実は…。」

















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