心はいつも、貴方とともに
ーーーーー……。
話を聞き終えたラジャは一言、「ふむ。」だけ言って押し黙った。
落ち着きなく視線を走らせて自分を落ち着かせながら、ジークは返事を待った。
「ジーク…。」
ラジャは久々に聞くような重々しい声で、手を組んだ。
ジークは緊張して身を強張らせ、身を乗り出す。
何を言われるのか、不安だった。
もしかしたら、アミリアの護衛を辞退しろと言われるかも。
アドバイスを求めた以上、ラジャも生半可な慰めの言葉などかけはしないだろう。
しかし、次の瞬間、ラジャはけろりと言った。
「うん、それでいいよ。」
ジークの拍子抜けようといったら、半端ではなかった。
まさに、肩透かしを食らったような。
ハトに豆鉄砲?
そんな言葉もあった。
「……ラジャ?」
「仕方いだろ、いくら有能だからといって、お前は人間で男だ。
女を好いて、何が悪い?
相手が姫だからと好いているわけじゃないだろ?」
ジークはぶんぶんと首を振る。
ラジャは満足げに笑った。
「そらみろ。
むしろ、それは献身的に仕える糧にもなりうる。
れっつぽじてぃぶしんきんぐ!」
最後までふざけた調子でありながら、ラジャの目は真剣だった。