心はいつも、貴方とともに
「嘘つき!」


「いい加減にして。
私がいつあなたを裏切った…。」


「騎士様と親しげに歩いてらしたわ!」



騎士様、と呟いて、はたと思い当たる。



アミリアが一緒に歩く騎士と言えば…ジーク以外にいない。



アリソンは思い出したかのように声をもらしたアミリアを憎々しげに睨んでいる。



「お心当たりがあるようね。」


「あれは…。」


「私があの人に恋をしていると知っているくせに!」


「あの方が想い人だとは知らなかったわ!」


「同じよ!
私がここから出してもらえないのをいいことに、お姉さまだけ楽しんで!」



金切声をあげて泣き叫ぶアリソンに負けじと、アミリアも大声を出した。



「もう、いい加減にして!
この城にどれだけの騎士がいると思ってるの!」



言いがかりもいいところだ。



迷惑極まりない。



ぼろぼろと涙をこぼすアリソンを見ながら、アミリアは気持ちが冷えていくのを感じた。



この子は、子どもだ。



何も理解しようとせず、自分の悲劇に浸っている。



今のこの子に何を言おうと無駄だ。



「裏切り者…。」


「…言っておきますけどね。
あの方に出逢ったのは、私が先よ。」





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