心はいつも、貴方とともに
嘘、とアリソンはつぶやく。



「本当よ。
良くして頂いているわ。」



我ながら、意地が悪い。



つんとして言い放ち、背を向ける。



またアリソンの叫び声が聞こえて、今度は靴が飛んできた。



さすがに呆れ、アミリアは去り際に捨て台詞を残した。



「あぁ、アリソン。
私はあの方のお名前も存じ上げているのよ?」



思いつく限り、最大限の不敵な笑みを浮かべ、アミリアはまたなにか凶器が飛んでくる前に素早く扉を閉めた。



すかさず、マリアが鍵をかける。



長い長い階段を降りながら、アミリアはマリアに尋ねた。



「今日は、少し惨かったかしら?」


「いいえ、お相子ですよ。」



二人で顔を見合わせて笑った。
















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