心はいつも、貴方とともに
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最近、ランバートは忙しそうに立ち回っている。
顔を合わす機会もめっきり減った。
自分勝手だとはわかっていても、寂しいと思ってしまう。
国の一大事なのだから、応援しないと。
それでもいじましく、兄が声をかけてくれるのを待ってしまう自分がいた。
中庭で噴水の淵に腰かけながら、ランバートが通り過ぎるのを待つ。
執務室と部屋とを行き来するのに、ランバートは一日に何回か通るのだ。
忙しそうに、ダニエルの寄越す書類に目を通しながら、早足に。
庭に目をくれる暇もない。
しかし、話すことはなくても、兄が自分に微笑みかけることはなくても、アミリアはランバートの姿を見るだけで幸せだった。
どうか、身体をこわしませんように。
疲労が少しでも減りますように。
毎回、ランバートの姿が見えるたびにそう願った。
「アミリア姫。」
背後から声がかかり、アミリアは組んでいた手を解いて振り返った。
「ジーク様。」
彼と顔を合わせるのも久々だ。
考えていたことは彼も同じらしく、目が合うとすぐに跪かれた。