そのタグを外すのは誰だ!?
「えぇぇ、みさ本気で言ってんの?」

 あゆこはなぜ不服そうな顔をするんだ。お前、まさか本気で食うつもりだったんじゃ……。

「え。そういうあゆこは、やっぱり食べてみたい口?」
 みさがあゆこに聞くと、そりゃもう奥さんと言わんばかりににんまりとした。それを見てみさは一瞬考えたのち、私ににっこりと微笑みかけてきた。

「ま、まさか、みさまで?」
「あゆこに頂かれてしまうぐらいなら、私だって食べてみたい」
 国会で政治家が発言するかのように、堂々としたその物言いに一瞬私はたじろいでしまった。

「だったらみんなで勝負だね」あゆみが突然振り返って言った。
 お前、聞いてないふりして聞いてたな。

「そんなぁ。あ、ゆっこは? ゆっこは童貞に興味ないって言ってたよね?」

 少し離れた場所にいたゆっこに聞くと、ゆっこは意味ありげに流し目を千尋君に向けているところだった。

「もう勝負は始まっているのだよ。なおちゃん」

 ゆっこは片手を挙げ、厳かに宣言した。
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