そのタグを外すのは誰だ!?
 間違いなく奴らは明日の文化祭で、ケリをつけようと動き始めるだろう。

 なぜなら! あゆこやあゆみは、明日の出店回りやどこのクラスを見て回ろうとか、いつもなら念入りに計画を練ろうとするのに今日に限って何もしようとしない。

 みさやゆっこだって、いつもこういう行事のとき学校に来ないくせに、明日は来るつもりっぽいし。

 これは間違いなく全員明日千尋君の初物をいただこうとしているに違いない。

 どうしよう、私も何か計画を練らないとダメだ。このままじゃ、百戦錬磨の彼女たちに千尋君を食われてしまう。

 ちらりと千尋君に目を向けると、教卓のところでほかの男子と何やら雑誌を見ながら笑い合っていた。雑誌はお色気女優のページで止まっている。Hカップはありそうな巨乳の女が水着を着て、浜辺で大胆なポーズをとっている写真。

 お色気か。明日はもうちょっとスカート短くしてこっかな。そうだ、明日の文化祭一緒に回る約束を取り付けてしまおう。そうすれば、あゆこ達だって手も足も出まい。

 にんまりとする私を、斜め前に座ったみさが肩越しに見てきた。

「気持ち悪いやつめ」
 ぼそりと言い、立ち上がり私の肩をぽんっと叩いてからそのまま教室を出て行った。
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