そのタグを外すのは誰だ！？

　アーチ状に”涼宮学園文化祭”と飾り付けられた校門をくぐると、学内はいつもと違う賑わいを見せていた。

　女子生徒はいつも以上にスカート丈を短くし、顔には綺麗にメイクが施してある。今日に限っては生徒指導の教師たちも目を瞑っているらしい。

　教室の扉を開けると、あゆみが窓際に立っていた。昨日の帰りに机やイスを移動させたので居心地悪そうに佇んでいる。

「おはよう、あゆみ」
「おはよう、なお。早いね」あゆみがサラリと黒髪をなびかせて振り向いた。

「ああ、なんとなく早く起きちゃってね」