そのタグを外すのは誰だ!?
 私は、彼女のカバンの隣に自分の荷物も置いて、あゆみと肩を並べた。
「メイク……してないんだね」じっとあゆみを見つめると彼女は不敵に顔を歪ませた。

「してないよ。化粧したって、スカート短くしたって、それは本当の自分で勝負してないってことじゃん? 私はありのままの自分で勝負するよ」

 さすが正攻法のあゆみ。彼女はこんな時でも自分を誤魔化したりしない。私は少しだけ彼女を見直した。

 あゆみと他愛のない会話を暫く続けていると、次々とほかのクラスメイトが登校してきた。
 朝の挨拶を交わし合いながら、それぞれが思い思いの場所に荷物を置き、今日の文化祭のパンフレットを見ながら楽しそうに笑い合っていた。
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