そのタグを外すのは誰だ!?
 前方に光が見えて、出口だと分かると引き返したくなったが、千尋くんがそっと手を放した。

「あゆこに見られるとうるさいからね」人差し指を口元に運び、片目を瞑ると千尋くんは先に出て行ってしまった。

「やぁっと出てきた。二人で何してたのぉ?」

 明るい廊下に出て一息つくと、あゆこが腰に手を当てて怒っていた。

「何ってナニはしてないさ」

 にっこり笑って千尋くんは、「な?」と私の方を見た。

「う…うん」
 ナニしたかったけどね。こんなとこじゃできないじゃん? でもかなりいい雰囲気だったと思う!
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