そのタグを外すのは誰だ!?
 私とゆっこは暗闇の中、手探りで進んだ。道中何度もゆっこは転び、そのたびに奇声を発していた。やっと明るい場所に出たと思ったら次は天井から蔦のような気持ち悪いものがぶら下がっている。

「うぐー、お化け屋敷なみに気持ち悪い」
「なおー、助けてぇ」

 ゆっこが蔦に絡まりながら手を出してもがいている。私は仕方なくゆっこを蔦から引っ張り出してやった。

「あ、ゆっこ。顔になんかついてるよ」
 私が自分の顔を指で指しながら教えてあげると、ゆっこは
「え? どこどこ? とってとって」と彼女は目を閉じて、無防備な顔を私に晒した。

 すまん、ゆっこ。お前の心を折るにはこれしかないんだ!

「えいっ!」

 べりっと勢いよく私は、ゆっこの両瞼からツケマツゲを剥がしてやった。

「えぇ!?」ゆっこが目を見開き、私が両手でつまんでいるマツゲを見た。

「何するのぉぉぉ?」

「ふ、ふふふ。だいぶ目が小さくなって、可愛くなったよ。ゆっこちゃん」
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