Q.これはセクハラですか?A.いいえ、愛情表現です【BL】
あの時、
覚悟したのは何でだったか。
熱くなったのは季節の所為じゃ無く。
夕日では何も隠れなかったんじゃないか?
それはもしかすると、今も。
「先生、かわいー」
手が離れて、代わりに彼の腕に抱きすくめられていた。
身動きの取れない中で、
俺は何をどうするべきだったのか考える。
だけど……きっとどうにもならなかっただろう。
捕まえられたままで、そう思った。
「好きです、愛してます」
強くなる一方の腕と共に、
こっぱずかしい言葉が聞こえてくる。
「先生。先生も好き?」
また何回もその言葉を聞いていると、
ふいにそう尋ねられた。
好き、なんだろうか。
俺は彼を。
そんな風に考えあぐねている筈なのに、
何故か首は勝手に肯定する。
にへらと笑う彼は、
また好きだと繰り返しながら、
時々俺に訊く事も繰り返す。