Q.これはセクハラですか?A.いいえ、愛情表現です【BL】
「好きです」
「好きですか?」
こくりと、俺の首はどうにかしてるんだ。
「好き、大好きです」
夕日よりも、
暗くなる空に隠蔽能力を求めよう。
遠くから聞こえてきていた声も、すっかり少なくなった。
「付き合ってください」
紡がれる問いに、
またコクリと、俺は頷いた。
……ん?
何かにひっかかると同時に、
キツイ拘束は即座に緩み、
顔を上げれば益田の唇がわなわなと動いている。
「よ、」
そして突然立ち上がり、片手を握りしめ、上へ突き上げて叫ぶ。
「っしゃー!!」
どこからどうみても喜んでいる。
それは、何に?
さっきの彼の言葉はなんだった?
……俺は、何かを間違えただろうか。
とりあえず昨夜の一晩が、
無駄になってしまった事は分かる。
「取り消しは無効ですからね!
絶対俺が受け入れませんからね!」
またしても腕が伸びてきて、
すぐにその中に収められてしまう。
こうして俺は、
不本意ながら益田と付き合う事になった。
彼の力は強く、
俺が本気出したって逃げられないんじゃないかと思う。
だから、仕方がないんだ。
仕方が無く、だ。
絶対そうだ。