Q.これはセクハラですか?A.いいえ、愛情表現です【BL】
招き入れたはいい、が。
とりあえず珈琲を淹れてやった。
だけどその後にするべき事は何一つ思いつかない。
ただのんびりとしたバラエティが映るテレビを、同じようにゆるく眺めているだけだ。
「なぁ?」
「なんですか?」
時々言葉を交わすと、彼の声の端々から嬉しさがにじみ出て聞こえる。
「……楽しいか?」
聞かずとも、彼の感想は解りきっている。
だからしばらく迷ったが、聞いてみる事にした。
「楽しいですよ!」
予想通りの答え。
「こんなんでお前は満足出来るのか?」
疑問だ。
これじゃただ、退屈なだけじゃないだろうか。
「大丈夫、俗に言うおうちデートですよ!」
キラキラと何かが舞う幻覚まで見えてくるような笑みで彼は答えた。
「……そうか」
なら、まぁ、いいか。うん。