Q.これはセクハラですか?A.いいえ、愛情表現です【BL】
しかしまあ、見られるだけで他に害はなく、……いや、十分あるにはあるが。
とにかく無事に炒飯は完成した。
「美味しいです!」
一口食べるごとに、うまいかありがとうか。
やかましいほどに幸せそうに食べるから、どうしてくれたもんか。
自分が作ったものでこんなに喜ばれるとは思わなかったから、正直戸惑ってしまう。
10分も経たずに完食した後、皿を洗おうとすると益田は自分がやると言い出した。
洗うのはじゃあ任せる事にして、俺は洗った食器類を受け取り、拭く事にする。
「……何か……」
ふいに益田はそう口にした。
彼の口元は通常通りに緩んでいる。
「何だ?」
「新婚っぽくないですか?」
「……殴っていいか?」
返事を聞く前に足を軽く蹴る。
「DVは反対です!」
そうは言いながらも異常なほど嬉しそうに彼は笑う。
何でもない事なのに、何がそんなに楽しいのだろうか。
……しかし笑顔の人間を見ると思わず釣られてしまいそうになる。
誤解されないように、それを誤魔化すように、吐き捨てるみたいに笑ってやった。