Q.これはセクハラですか?A.いいえ、愛情表現です【BL】
8.学校祭
もうすぐ学校祭がある。
周りの喧騒を聞きながら、
俺は益田と、彼の探した過ごしやすいスポットに居た。
夏とは違い、今度は太陽が差し込んでぽかぽかと暖かい場所だ。
「そういや益田、お前進路希望決まったか?」
「実は決めかねてるんですよね、まだ」
「お前本当は成績いいだろ?大抵の所なら大丈夫だって」
教師として太鼓判押してやるよ。
「あざーす」
だれた調子で誰に聞かれたとしても当たり障りのない雑談をする。
いつもよりも人目に付きやすい場所で、時々生徒たちに声をかけられる。
それでもサボりだと言われないのは、うちのクラスの出し物が休憩室だからだ。
机と椅子を置いて、あとは適当に飾り付けて準備は完了。
当日は放置で次の日に後片付けをすればいいだけ。
「……しかし本当、手抜きだよな」
「しょうがないですよ、劇あるし」
体育館のステージの、部活等の使わない時間をこの学校は希望クラスに抽選で割り当てている。
あまりないその枠をうちのクラスが勝ち取った訳だ。
そしてやるのは何故か劇。
しかもシンデレラ・改というタイトルだ。
……すべてをノリで決めていた感が否めなく、心配だがまあどうにかなるだろう。
そんな訳で、うちのクラスで今働いているのは台本を書いている生徒と、背景や小道具の制作を割り当てられた生徒だけだ。