Q.これはセクハラですか?A.いいえ、愛情表現です【BL】

思わず押し倒すと、先生はキョトンとした顔をしていた。


「いただきますしちゃいますよ?」

抵抗も何も無い。

茶化すように俺はそう訊ねた。


「それは大事だよなー」


笑いながら言う先生は、絶対解ってない。



「いただいちゃいますよ?いいんですか」


「どうぞーちゃんと言いなさい」


本当に、解ってないくせに。
自分が今、俺の頭の中でどんな事をされているかなんて。



「いただきます」


そう言って、先生の唇を奪った。




……でも、それだけ。


「ごちそうさまでした」


言いながら身を起こす。
続けて先生にも手を貸して起き上がらせた。


そうして向き合ってから、俺は言う。

出来る限り真面目な顔を作って。
そうしたら先生もちょっとキリッとなって、思わず笑いそうになってしまった。



「“ずっと”なんてものは、それこそ性別も年齢も関係なく、存在しません。
そんな事は解ってます。

それでもいいから、それまで一緒に居たいんです」

少し緩んでしまった口元から出た言葉は、果たして誠実に受け取られただろうか。



「いいよ、そばに居ろよ」

フッと笑って答える先生は、ああ、やっぱり俺より大人なんだ。
改めてそう思ってしまう。

受け止めてくれるその顔を、カッコいいと思った。

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