夏の名前


「ささくら…しょう?」


「そ。笹倉翔。俺の名前。」


「翔くんかー。そんな感じする。」


すると笹倉くんは頬を薄いピンク色に染めて、私とは反対側の方を向いてしまった。


また…何かまずいことしちゃったかな…?


「ご、ごめんね?」


「へ?」


間の抜けた声で返される。


「あれ…?怒ってるんじゃないの?」


「べ、別に怒ってねぇよ!ただ…」


「ただ…?」


「いきなり下の名前で呼ばれたから…ビックリした。」


しまった!!


また女子校の癖で


下の名前で呼んじゃった!


「ごめんね、いきなり。」
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