恋磁石
出会い
金髪野郎[詩音ver]
ジリリリリリリリリリ...
いつの時代の目覚まし音なんだっ
と思いつついつものように目を開ける
窓から見える電線にはスズメが止まっていて
その背景にはきれいなスカイブルーの空。
雲ひとつない。吸い込まれそう。
携帯を開くと7:30
いつもならもう家をでなければいけない時間だけど
今日は9時前に出るから大丈夫!
私.夏野 詩音(ナツノ シオン) 15歳
今日から高校1年生。
中学を卒業してこの街に転校してきた。
新しい家から歩いて10分
自転車で5分かからないところにある
風ヶ丘高校に今日から通うことになる。
自慢の栗色の髪の毛を頭のてっぺんでひとつにまとめる
実は私クウォーターだから少しだけ
日本人離れした顔立ちなんだけど
それがコンプレックスでもある。
もともと目立つとか嫌いなタイプなのに
この容姿のせいで中学の時も先輩に
目つけられたりいいことなんて一つもなかった
背も168もあるし
目立つったらありゃしないんだもん。
私はぶつぶついいながら新品の制服に手を通す。
この学校制服だけはピカイチにかわいいんだよね!
鏡の前でくるっと一回転してから
この前買ってもらった淡いピンクのリュックを背負った。
引っ越す前に友達からもらった
大きな真っ白いくまさんの人形もつけて。
まだ少し新築の香りがする家を元気よく飛び出した