恋磁石
新しい自転車で校門を通り抜ける。
校門には入学式と書かれた大きな看板がぶら下がっていた。
奥にはレンガ造りのおしゃれな校舎が目に入る。
私は体育館に向かっていった。
人ごみが嫌いな私はわざと
人が少ない通路を選んだ。
進んでいくとまったくひと気がなくなり
壊れた用具やぐちゃぐちゃにされたプリントが
放置されているようなところに来てしまった。
角をまがるとそこには
立ち入り禁止のテープが無造作に張られていた。
間違った....
入学早々何してんだろ。
引き返そうとしたその時
カタンッ
と物音がした。
・・・へ!?
まさかここ出るの...????
ゆゆゆゆゆゆ...幽霊が!?
思わず振り返るとそこには見とれてしまうほど
綺麗な顔立ちの男の人がいた。
金色の髪で短髪。
耳には軟骨に3個ほど銀色のピアス。
確かに怖そうだけど
なんか怖くなかった。
目があってるんだけど
透き通るような目でひきこまれそうで
とても目がそらせない。
薄い唇が開き何か言う。
「なに?ここ体育館裏だよ多分。」
あ...体育館裏ね....
間違ってたんだ私。
「あっそうなんだ!わざわざありがとう。ではさようなら」
超早口で息もせずそれだけ言うと私は
来た道を全速力で戻っていった。
入学早々馬鹿にもほどがあるよね
私は無事体育館につき入学式をおわらせた。
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