恋磁石
次の日いつもと同じように学校に行き
あいつが来るのを待った。


HRが終わり授業も進んでいき
昼休みになっても顔を見せない...

もしかしてさぼりですか。
さぼりなのですか。
またあそこにいるんじゃ..
ひと気のない体育館裏。



やたらと正義感だけは高いあたしの中で
腹の底からふつふつと怒りが込み上げてくる。


ほっとけばいいんだけど
なんだかほっとけない。
それがあたしの短所なのだ。

「ミサっごめんちょっと行ってくる!」

「え!?どこ行くの!?瀬戸のとこ?ほっときゃいいじゃん~」

「そなんだけどっごめんあたし無理!」


それだけ言ってあたしは食堂を出た。
なぜか全力で体育館裏まで走った。
じゃなきゃ怒りを抑えられなかった

角をまがり息を切らし肩で大きく息をしながら

「おい金髪野郎!いるなら返事しろ~!」

と叫んだ。
すると置き去りになっていたソファからむくっと
金髪の頭が起き上がった。


「...はい。呼んだ?」

あまりにも力の抜けた返事をするので
こっちも力が抜けてしまった。

「なっ何よその返事!」

「返事しろって言ったのそっちでしょ」

そうだった。

「...てゆ~かっ!なんで授業でないのっ!?」

「なんででなきゃいけないの?」

少し笑いをこらえながら言ってくるあたりがむかつく。

「なんでって...とりあえずでなさいよっ」

あたし完全に負けてる....

「あとっ昨日あなたにひかれそうになったんですけど!」

「知んねえよ。で?それだけ?」

気だるそうに適当にそれだけ言ってまたソファに横になる。

「~っ!!とりあえずっ授業は出る!バイクは気を付ける!わかった!?
 あたしはもういいけどミサにもちゃんと謝っといてよ!」

ふんっ言ってやったぜっといわんばかりになぜかどや顔のあたし。

「おせっかいな女。」

な"っ!?
金髪野郎は怪しげな不敵な笑みをうかべて

「そんなに俺が気になる?」

といった。


その顔に少しキュンとしてしまった自分がいて


あたしは悔しくて
「お前なんか大嫌いだ~」
と言って逃げた。


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