宛名のないラブレター
1.
あいつは夢を持っていた。
小さい頃からの夢なんだと・・・。
『あたしね、パティシエになるのが夢なんだーだから、留学するの』
そうあいつは言った。
その時の俺はどんな顔をしていた?
泣いていた?笑っていた?怒ってた?
俺は、
君が好きでした。
「・・・・・頑張れ。・・・頑張れ」
涙で前が見えない。
手を伸ばしても、君はもういない
何度も書いた手紙
「う・・・・ぁ。」
俺がポストにいれたのは、
宛名のないラブレター