宛名のないラブレター



今日はいつもより早く部活を切り上げた。
顧問の先生が急用が出来たらしく帰ったからだ。

「はぁ~疲れた・・・・ん?」

あそこに見えるのは調理部で何か作っている朱里の姿だ。
いつもあんな風に頑張ってるんだな
応援してやらなきゃ駄目だよな、
行くななんて駄目だよな。
あいつは夢を叶えるためにアメリカに行くんだ。

応援しなくてはならない
でもなぜ俺はそれが出来ない。
なんでだ?



どうして頑張れの一言さえも言えないんだ?





俺はなぜ大事な言葉を言えないんだ?
いつも、いつもそうだ・・・



俺はいつだって弱虫で逃げてばっかりで・・・



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