宛名のないラブレター
「おはよう。咲夜くん」
彼女は相も変わらず笑顔だ。
その笑顔もいつかは見れなくなる
分かってるんだけど
分かってはいるんだけど
やっぱり、行って欲しくない。
「おはよう朱里」
このやり取りもあと2日で終わりだ。
早いな・・・
もう、そんなに・・・・
油断したら涙が零れそうだ。
堪えろ
抑えろ
なくな俺
泣いちゃ駄目だ俺・・・・
「どうしたの?」
俺は下を向いて涙を隠した。
必死で声を抑えた。
(ぅ・・・く。ひっく・・・・ふっ・・・)
「咲哉くん・・・・ごめんね。」
俺はその言葉から背いた。