宛名のないラブレター



HRが始まっても俺は下を向いていた。
隣にいる彼女にそんな顔を見られたくなかったから
泣き顔なんて絶対見られたくない


「咲夜どうした?」


友達の声も


「おーい咲夜。居眠りかぁ?」


先生の声も


「咲夜くん・・・」


彼女の声には、勝てない。



「ごめんね」



でも、今は聞きたくない。

ごめんねなんて聞きたくない


< 22 / 27 >

この作品をシェア

pagetop