宛名のないラブレター



朱里は今、裏庭にいた。

――な、何あれ・・・。紙?


咲夜くんを追いかけるために裏庭に来て見たけど木に紙が引っかかっているようだ
朱里は木に登ると紙を取った。

『朱里』から始まったその紙きれ


――あ、あたし・・・?


「は、拝啓朱里様

なんで、謝るんだよ。
俺が聞きたい言葉はごめんなさいなんかじゃないんだ
朱里に、「私、頑張ってくるね。夢叶えて来るね」って言って欲しいんだ

俺もお前に「頑張れ」なんて言えてないけど、
俺は、お前に頑張って欲しいんだ

それにまだ伝えてない言葉も沢山あって
でもそれよりお前に伝えたい言葉があって
何言ってんのか分かんねぇけど


俺は、お前に本当は行って欲しくない。
引き留めたい
でも夢も叶えて欲しい

ただのわがままだな
ごめん。




俺は、お前が  」




――え・・・?
字が滲んでいる。
なんて読むんだろう



でも、それよりこんな事想ってくれてたなんて知らないよ・・・

本当に・・・・ばかなんだから


「遅いよ・・・もう、遅いよ・・・・」


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