宛名のないラブレター
朱里がアメリカに行くまであと1週間をきった。
聞いてみるとまだクラスの人は誰も知らないらしい
「あたしはね、咲夜くんだから言ったんだよ?」
そんな事言われたら勘違いしてしまう。
俺は手に持っていた手紙をぐしゃっと丸めた。
こんなのいくら書いても届かないんだったら意味がない
汚い字に意味不明な文章。
唯一伝わる言葉といえば、好きだけ。
こんなの貰ったってあいつが困るだけだ
俺は静かにゴミ箱へ手紙を投げた。