ねむたい、ぬくもり
「ちょ、シャワーくらいあびさせてよ」

良いから、男はそう呟いて
残ったあたしの下着に手をかける。

あたしを裸にすると、男は布団をめくった。
そしてあたしを抱える。
腕についた無駄にムキムキした筋肉は、どうやら本物らしく
あたしは簡単に持ち上がって
そのまま、ベッドの中に埋もれた。
そして、男もいそいそと布団の中にはいり
二人の上に掛け布団をかける。

あたしは思わず、目が点になる。
これは一体どういう展開だろう。

目が点のままのあたしを、隣の男はゆっくりと抱き寄せる。

体温が、びっくりするくらいにあったかい。
筋肉がついた胸板に顔をうずめるみたいな体勢。
ドキ、ドキと
男の心臓の音がちょくせつ伝わる。

「このままでいろ」

小さく、低い声で男が呟いた。
このまま、というのは
このまま、ということだろうか

でも、びっくりするくらいにその男の胸の中が居心地がよくて
気が付いたら、マリア様のいる男の腕がゆっくりと伸びて
あたしの頭をやさしく撫でて
気が付いたら、あたしも男に腕を伸ばして
その、派手すぎる金色の髪の毛を、撫でていた。



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