大地くんの天気予報
「…そんなにトゲトゲだから、誰も近付いてあげられないんだよ。…渋谷さんはきっと、自分を守ろうとして、わざとトゲだらけになってるんだ。本当は、すごくやさしいくせに…」
「……!!」
シブヤさんは、恥ずかしいのか何なのか、顔をカーッと赤くして、急に立ち上がった。
ハッと我にかえって、慌ててそれを見上げるキヨちゃん…。
「…わ、わかったような口きいてんじゃねぇよッ…!!」
そう言ってシブヤさんは、小柄な体にもかかわらず、ドスドスと地面にひび割れでも起こすかのごとく、早足で公園を出ていってしまった…。
「あ…」
キヨちゃんも立ち上がって、黙ってその後ろ姿を見送る…。