大地くんの天気予報
「ねぇ、大地…。大地にはさぁ、大切な思い出って、ある…?」
「…今度は何の話だよ…。…まぁ、俺だったら、使えなくなった色鉛筆は捨てちまうけどな」
「…小さい頃さ、よく、周りの人たちに言われてたよね。…大地くんと優雨ちゃんは、まるで運命の王子様とお姫様みたいだね~、って…」
「…あぁ、そういえば、そんなことも言われたな」
「…私にとっては…、それが、どうしても忘れられない、大切な思い出、かな…。っていうか、思い出にすらなってない。今でもまだずっと…、そう、思ってる…」
「……」
「……」