大地くんの天気予報
…絢姉さんの独特の雰囲気を感じ取っているのか、大ちゃんは、少しばかり睨み付けるような目をしていた…。
そんな大ちゃんの耳元に唇を寄せて、絢姉さんは、ささやくように言った。
「…オトコノコらしいこと、いろいろ教えてあげてね…。この子…、な~んにも知らないから…」
「……」
…僕はただ、唇を噛みしめながら、黙ってうつむいていた…。
「…じゃあね、風花…」
そう言って、香水の香りを漂わせながら、絢姉さんはゆっくりと背を向けて、公園を出ていった…。