大地くんの天気予報


すると受付の人は、「こちらにお名前をお願いします」と、開いて置かれた帳面を指し示し、そこに私たちが書き終えると、それぞれにプログラムと、何か入った紙袋を渡してくれた。


紙袋の中をのぞくと、お昼用のお弁当とお茶が入っていた。


「…うわ、こんなものまで用意してもらっちゃって、いいのかな…?」


私はそうつぶやくと同時に、ハッとして言った。


「…ちょっと待って、…それに私、招待なんてされてないよね…?」


私が不安な顔をしてそう言ったら、大地が言った。


「いや。大丈夫。…こうなるかもしれないと思ったから、一応伝えておいたんだ、優雨も来るかもしれないって…」


「…そうだったんだ…、良かった、ありがとう…」


私は安心したと同時に、大地のそんな心遣いが、ちょっぴり嬉しくてポッと赤くなった…。


大地、私のことも、ちゃんと頭に入れてくれてたんだな…。


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