大地くんの天気予報
そんなふうに二人して自転車を押しながら歩いていると、公園の前にさしかかった。
何気なくそちらの方に目をやると、公園の中にある藤棚の下のベンチで仰向けになっている制服姿が見えた。
よく見ると、それはダイチだった。
「あ…、あそこにいるの、ダイチじゃん?」
オレがそう言うと、キヨちゃんも足を止めて、「あ…」と言いながらそちらを見た。
「お~い、ダ~イチ~ッ!!」
オレはダイチに向かって叫んだ。
ダイチは、気だるそうな感じで少し顔を上げた。
「何やってんの~ッ?」
…すると、隣にいたキヨちゃんが、少し戸惑ったように顔を伏せた。
さっきのダイチとのやり取りのせいで、気まずかったんだろう…。