大地くんの天気予報
すると、カザミネさんは言った。
「…そっかぁ。ヨウちゃん、アンタ、よく見てるねぇ!…正確に言うと、絢が清風に似てるんじゃなくて、清風の方が、昔の絢に似てきてるような気がするんだよな…」
「…キヨちゃんの方が、昔のアヤさんに…?」
「うん。…純粋でやさしかった頃の、素顔の絢にね…」
「……」
「…さッ、楽屋戻ろっか!みんな待ってるよ!」
そう言って、カザミネさんはオレの肩をポンと叩いて立ち上がった。
カザミネさんの言葉や、キヨちゃんやカゼアヤさんのことが、頭の中でグルグルと回っていた。
けれども、いくら考えたところで、オレには何がわかるはずもなかった。
颯爽と歩き出したカザミネさんの背中を追うようにして、オレも立ち上がり、釈然としない気持ちのまま、楽屋へと戻っていった…。