大地くんの天気予報


僕が転校してきてからまだ数日しか経っていないけれど、そんな二人がいてくれて、僕はなんだかすっかり、この場所に居心地の良さを感じていた。




…教室では相変わらず、隣の席の渋谷さんが、僕から不自然に机を離して座っていた。


授業中、眠たそうに頬杖を付いて、ウトウトしている渋谷さん。


その肘が少し横にずれて、机の上からポトッとペンが落ち、僕の方に転がってきた。


それに気付いて、小さく顔を上げる渋谷さん。


僕は転がってきたペンを拾い、「落ちたよ」と小さく言って、渋谷さんに差し出した。


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