大地くんの天気予報


渋谷さんは、僕と目を合わせることなく、不機嫌そうに黙ってそのペンをもぎ取った。


相変わらずの渋谷さんに、僕も黙って苦笑いを浮かべた。




…あれから、例の彼とはどうなったんだろう。


僕が入る隙もないような、目には見えない透明な壁で遮断されたような隣の席に、気にかけてはいても、そんなことを僕が聞けるはずもなかった。




…そんなある日の、体育の授業。


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