大地くんの天気予報
「お邪魔しまっせぇ~!…おォ~、フウカちゃん!!九州から戻って来たって?一年ぶりだなぁ~!!いやぁ~会いたかったよ~!」
「エイサクさん…!」
そう言って僕の体に抱きついてきたのは、近所に住む自称・画家の、エイサクさんというおじさんだった。
エイサクさんは、僕のことを小さい頃から可愛がってくれているんだ。
本名は永作(ながさく)さんというんだけれど、エイサクの方がカッコいいから!と言って、自らエイサクさんと名乗っているみたい…。
「まぁ、エイサクさん、いらっしゃい」
そう言いながら母さんはまた、エイサクさんにお茶を入れていた。
「な~に、フウカちゃんが帰ってきたっていうからさ、顔見に来たんだよォ~!なぁ、フウカちゃん!」
「フウカ」と呼ばれ、僕はニッコリ微笑んで応える。
「ありがとうございます。僕も会いたかったですよ、エイサクさん…!」
僕の持つ、もう一つの名前…。
それは、寿々喜風花(すずき・ふうか)という名前なんだ。