大地くんの天気予報


「…大地」


私は、自転車を押しながら、ゆっくりと藤棚の下までやってきた。


ん…、と、目を細く開ける大地。


「…おぉ、優雨」


大地はゆっくりと起き上がると、足を地面に下ろして、大きく伸びをした。


私は自転車を止め、空いた大地の隣の空間に、そっと腰を下ろした。


「…部活は?」


「うん…、特にやることないから、今日はもう帰ってきた」


「ふぅん、そう」


「……」


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